それでも世界はまわる -いつかの夢-
彼がいぶかしげな、がっかりしたような表情になる。
慌ててもう一度鞄をまさぐる。

「あー、足りんよね! そうだろうと思って、チーズの森とおさかなビスケット、究極ミルクプリンもあるよ!」

「ありがとう・・・」

落胆が全然隠れていない。

やはり既製品ではまずかったか。
しかしもう後戻りはできないのだ、なんとか盛り上げなくては。

「ねね、うちにもチョコちょーだいよ。すごいのばっかりなんじゃろ?」

りおんは海をぼんやりすると、大きくため息をついた。

「僕、美佳のチョコ最初に食べるって決めてたのに・・・」

どきっ。
心臓が激しく脈打つ。

「りおん君・・・それで食べるの我慢しとったん?」
< 52 / 104 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop