それでも世界はまわる -いつかの夢-
美佳と瑞穂、平井、新田の四人は駅前のカラオケボックスにいた。

平井が慣れた手つきで受付を済ませると、マイクなどが入ったかごを渡される。

部屋は五階の一番奥。
スタッフの行き来も全くないのでそこを指定したらしい。

到着すると平井と新田はどっかり座る。

美佳と瑞穂も遠慮がちに、テーブルを挟んだ反対側へ腰掛けた。

「ええと・・・とりあえず、なんか飲む? それとももう歌っちゃう?」

美佳が控えめにメニューと歌本を差し出す。新田はそれを押し戻した。

「うちらは、まだいいかな。これからもっと楽しいことが始まるけぇね」

平井もはしたなく笑う。

美佳と瑞穂は、メニューを開きながら首をかしげる。

「なんかイベント?」

「かなぁ?」
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