それでも世界はまわる -いつかの夢-
「ごめんね・・・ごめんね、嫌な思いさせて・・・怖かったよね」

「何言っとるん、美佳ちゃんのせいじゃないし・・・。あたしこそ何もできんくてごめんね」

「んーん・・・むんむん、関係ないのに巻き込んじゃって・・・」

二人が抱きついて慰め合うのに、りおんは明らかに苛立っていた。

「美佳」

びくっとして、恐る恐る彼を向く。

「なんでカラオケなんか行った」

「あ・・・ごめんなさい・・・」

ざらついた雰囲気に怯える美佳。

「あいつらとからむと余計なことなるって、分からんの? それともなに、他の男とハメ外したかったん?」

震えが止まらない。

「お前は西野さんと僕も裏切ったし・・・最低だ」

ぐっと歯を食いしばるりおん。

美佳は飛び出した。はずみに狼狽したように見えたが、何も言わなかった。
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