それでも世界はまわる -いつかの夢-
「慎吾くんわっくんとリズム王国やって何が楽しいんよ・・・」

弟の渉とは小学校の頃から仲良しだが、運動神経抜群の二人と音楽ゲームをやっても全然楽しくないのが丸見えだ。

慎吾は曖昧に笑う。

「ね、ホラ・・・今日・・・」

分かってる。
気遣ってくれてるのだよね、ホワイトデーだもん。

「うん、行く。でも、りーちゃんいいの?」

「あいつ今日は用事あるんだって。週末会うから大丈夫だよ」

美佳が上目遣いするのに、慎吾はにこやかにした。手を振って六組に戻っていく。

ホワイトデー、りおん君怒るかなあ。

いつまでもぼんやりしていたが、ほどなく彩に呼ばれた。

五限が始まる。
机にお菓子の袋を散らかしたままだった。

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