それでも世界はまわる -いつかの夢-
「渉、まだ帰ってないみたい」

もうすぐ小学校卒業だから、いろいろあるのかもしれない。

慎吾は一旦キッチンに立ち寄った。1.5リットルのコーラと紅茶、缶ビールを四本冷蔵庫から取り出して持ってくる。

「すごい量・・・っていうかお酒」

「飲むろ? たまには調子に乗ってもいいんじゃない」

本音はあまり気が進まなかったが、元気づけようとしてくれるのは素直に嬉しかった。

グラスと、いくつか運ぶのを手伝い、二階の慎吾の自室へ入った。

そこで美佳が目にしたのは、テーブルに食べ切れないほどのクッキーとお菓子の山。

「あとでケーキもあるけぇ遠慮なしで食べてね」

と、クッションを並べる。美佳は目をぱちくりさせる。
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