それでも世界はまわる -いつかの夢-
「なんであたしばっかり辛い思いせんといけんのん」

またピーピー泣き出す。

「あーも、なんでこんなに泣いてんのにあいつほっとくんだろ」

髪を掻きながらぶっきらぼうに慎吾は言った。

「あたし慎吾くん好きになれば良かった・・・こんなに優しくて、気にしてくれて・・・」

「じゃあ」

突然押し倒される。

「僕とりおん、どっちがいい男か比べてみる?」

鼻が当たるくらい顔を近づけて、不敵に微笑む慎吾。とろんとした目で真っすぐ見つめてくる。

「な・・・なに言っとるん? 慎吾くん?」

「そんな気持ちで結婚なんかしたら、りおんも可哀相じゃろ?」

「やめてよ、酔いすぎだよ」

叩いたり押し戻そうとしたりしてみるが、慎吾の力には太刀打ち出来ない。
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