それでも世界はまわる -いつかの夢-
夕食もとらず部屋に引きこもり、一晩考えた。

翌日と式当日は学校を休む話になっている。

朝一番、携帯から電話をかけた。

「はーい。どしたの? こんな早くに」

その相手は

「慎吾くん、ちょっと会いたい。大事な話。今日だけ遅刻してもらえん?」

只ならぬ雰囲気に、慎吾も了承してくれた。すぐに裏の河原で会った。前置きなんてしてる時間はない。

「慎吾くん・・・あたし、妊娠した」

慎吾は目を見開いて、言葉も出ない様子だった。

「素直におめでとうって言わないってことは、分かっとるんかな。あたしが昨日一晩考えたこと全部話すけぇ、最後まで黙って聞いてくれる?」

かすかに頷いた。
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