それでも世界はまわる -いつかの夢-
「考えさせて・・・」

動かないまま慎吾はそう言った。

正直無理だと言われると思っていたので驚いた。一瞬間ができてしまった。

「すぐには決めれんよね。でも時間ないん。結婚式は・・・明日だもん。あたしはどっちを選ばれても恨まないから・・・綺麗事なしで、ちゃんと考えてね」

分かった、と返事したが立ち上がる気配もない。あんまり学校に遅れるのも悪いので押し出した。

彼がいなくなってからも美佳はしばらくそこにいたが、体調不良を感じ、急いで帰宅した。

今日は両家で式場で最終打ち合わせがある予定だったが、美佳は行かなかった。

具合が悪いのも頻繁なので、とりわけ意識されなかった。

りおんから電話もあったが、寝たいとすぐに切った。
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