それでも世界はまわる -いつかの夢-
「りおん君ちには、これからなんじゃろう?」

「僕たちで行ってきます。お二人に、これ以上迷惑かけられません」

慎吾が凛とした態度で言う。

そういうわけにはいかないと両親は最後まで納得しなかったが、強引にわがままを突き通して、二人だけで神楽家へ向かった――送り迎えだけしてもらわないといけない距離ではあるが。

「美佳さん、取り乱しちゃだめだよ」

「はい」


   *      *      *


りおんの家でも恐ろしい修羅場になった。

なにせ本人が知らないのだから。
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