それでも世界はまわる -いつかの夢-
「慎吾くん、やめてぇ!」

「いつも僕のところで泣いてたんだぞ!? 指輪を投げられたこともストラップ捨てられたことも、ホワイトデー一緒に過ごせなかったことも、お前は知らないだろ!」

りおんが一瞬はっとした。

「気付いてやれなかったお前の責任だッ!」

「違う・・・違うの・・・お願い慎吾くんやめて・・・」

弱々しく慎吾を引っ張りながら訴える。もう誰が誰の責任だとか、言わないで。

「なんで、僕に話してくれなかったん・・・もう無理なんだね。遅いんだね」

とうとう、りおんは涙した。

それが胸に刺さった慎吾が力を緩めると、りおんは手を払い、出ていった。

姿が見えなくなると、美佳はさらに声をあげて泣いた。

夜中だけど気遣えなかった。

慎吾も美佳を抱きしめ、また、泣いた。

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