letter
手紙
由衣へ

由衣がこの手紙を読んでいるのは、あたしが居なくなってから、何年後かしら?

由衣は怖がりだから、一生読めなくてもおかしくないわ。

それでも読んだということは、由衣の心に何か変化があったのだと思うの。

あたしは貴方に訊きたいことがあるの。

大切な人はできましたか?

由衣は前に進めていますか?

あたしのこと、ちゃんと吹っ切れていますか?

由衣は本当に臆病だから。

でも、この三つは、あたしのせめてもの願いなの。

だから、大切な人ができても、あたしのせいで気持ちを押し殺しているとしたら、それはあたしの本意ではないわ。

こんな手紙を遺しておいて言うのもなんだけど。
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