紺青のテネレッツァ
名前をくれたのは父
扉が開く音に気付いて目を開ける
「すまん、起こしてもうたか」
「いえ。おはようございます
‥今何時ですか?」
「朝の5時や。
多分君が寝たんは、昨日の夜7時ぐらいやと思うで」
じゃあ日付は変わったているのか
結構寝てしまっていたんだな
「気分はどうや?」
「昨日よりは幾分マシです」
まだ体は動かないが
ダルさなんかはなくなってる
「そうや、君の事やねんけど」
「何か分かりましたか?」
紀さんはゆっくりと首を横に振った
「すまんな。
君が持ってたもんは、
何も書いてない手帳と万年筆、それとお金だけやったらしいわ
身元が分かる保険証なんかはないし、携帯なんかの電子機器も無かったんやて」