紺青のテネレッツァ
「儂の為にそないな事言うてくれたんやろ?」
確かに父さんが傷つくのが嫌だと思ったから言った
だけど、どう考えたって父さんのが何十倍も優しい
それに、
僕が父さんを気にかけるのは
「僕には、父さんしかいないから‥」
「っ‥」
知人や友人、家族なんてこの場所にはいない。
今僕が大切だと感じているのは父さんだけだ。
目覚めてまだ2日
記憶がない名前も身元も分からない僕に優しくしてくれた、
たった2日、
されど2日。
話した時間なんて5時間も無いかもしれない。
でも、この人の人柄の良さは何となく伝わってきた
だから大切だと感じた