紺青のテネレッツァ
「大丈夫」
何度も耳元で囁いてくれるその言葉が胸を暖かくしていく
目頭が熱い
この人は何故こんなに暖かいのだろうか、
「もう、大丈夫‥」
「ホンマか?無理したらアカンで?」
流れ落ちそうになった涙をそっと拭う
「大丈夫、ありがとう」
安心してもらえるよう精一杯の笑顔をつくる
しかしその笑顔はすぐに朔夜さんによって壊された
何故か片頬を摘まれた
結構痛い‥
「いひゃいでふ」
「無理に笑うものじゃないわ
あなたはあなたが笑いたい時に笑えばいいのよ」
摘んでいた手が今度は目尻を撫でる
「それから泣きたい時は泣けばいいの、甘えていいから」
「‥はい」
あぁ、本当に暖かい人たちだ
しばらく誰も喋らず沈黙が流れた
それは決して重たいものではなく暖かいもの
なんとなく心地が良いものだった