紺青のテネレッツァ
「もう、本当に大丈夫」
「ホンマか?」
小さく頷いてありがとうと笑顔をみせる
無理してつくったものではなく心から思った笑顔を
「ほんなら、とりあえずご飯食べよか」
「そうね、」
2人も優しく笑い返してくれた
「ご飯は誰が運んできてくれるの?」
「興時が運んでくるはずやけど‥」
ちらりとドアの方に視線を向けてドアを開ける父さん
「きょーじー?」
「今持って行きますから叫ばないでください」
「あぁ、スマンスマン」
全然申し訳なさそうな父さんと
心底迷惑だと声だけで分かる興時さん
そういえば、
どうして興時さんがご飯を?
興時さんって確か研究員だった気が‥
「お待たせしました」
「スマンな、ありがとう」
「ありがとうね」
「あ、ありがとうございます」
1人1人にちゃんと渡して
僕のもテーブルの上にそっと置いてくれた
“熱いので気をつけて”と
いつもの無愛想だけれど優しい声色で一言告げて