紺青のテネレッツァ
「博士!」
「分かっとる、そう焦りなさんな」
博士と呼ばれた男は少年を抱きかかえてまた周りに指示をだす
「バイタルは?」
「安定しています」
「念のため医療班を連れていけ」
「部屋は?」
「用意できました」
「運んでやってくれ」
「聖(ひじり)は?」
「連絡つきませんでした」
「仕様のない奴め」
「皆気を抜かんで、慎重に頼む」
室内全員の“はい”っと
力の入った声が
部屋に響き渡った