危ない保健医はサドだった
「…なぁ、髪ほどいて」
「え?」
「ほどけ」
「え?え?」
さっきとは違う少し怒った声と顔
「それとも、俺にほどいて欲しいの?」
その言葉に慌てて髪をほどく
キーンコーンカーンコーン
ほどいたと同時に授業始まりの鐘が鳴った
流石に気まずくなり
保健室を出て行くところもなくて
教室に向かった
ガラッ
教室のドアを開けるとみんなは既に
席についていて、教科書の読みあわせをしていた
気まずい雰囲気の中
自分の席の着く
「何か言えよ…」
席に着いたときボソッと誰かが呟く
「…」
「無視してんじゃねーよ」
「態度がてけーんだよ」
「校則まもれよ」
「学校に化粧なんかしてくんな」
「馬鹿みたいな頭してくんな」
一斉に皆の不満が飛び交う
「言いたいことあるなら直接言ってくれば?
あたし聖徳太子じゃないんで、一斉に言われても
きこえないんですけど」