危ない保健医はサドだった
「さよなら」
今すぐ呂黒から離れよう
「いいから乗れ」
ドアを開け素早くあたしを
車内に引き込む
傍からみたら誘拐だよ
車内は呂黒の匂いが漂ってる
タバコと呂黒の匂いと車の匂い
「吸っていい?」
沈黙の中呂黒がタバコを出す
「どぉぞ」
窓を開け外を見ながら
タバコを吸っている呂黒を
眺めながら
思わず出た言葉は
「変な顔」
クルっとあたしを見る呂黒
すかさずあたしも顔を反らす
「何ていいました?」
眉間には怒りマークが見える
吹けない口笛を必死に吹こうとする
「吹けてないですよ」
明らかに怒ってる声