カラス君と黒猫さん










□ □ □



墓地にて。




俺と父さんは、母さんの墓がある墓地に来ていた。


季節はずれでもあって、人が少ない。





「久し振りだな、母さんの墓に来るのは」

「そうだね。父さんは仕方ないよ」



途中花屋で買ってきた、菊や牡丹が入っている花を飾る。




「こうやって二人揃うのもかなり久し振りだなあ」

「父さんがこまめに帰ってきてくれればいい話だよ」

「ははは。確かに。」



(もう7年かぁ・・・・・・・・)




俺が小学生の頃に、病死した母さん。
そのときはあまり覚えてなかった。




あまりにも静かに息を引き取ったから、眠ったのかとその時思っていた位だし。



まだそのとき、実感が無かった。





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