カラス君と黒猫さん
「でさぁ、ね?聞いてる?須王?」
「うん、うん。聞いてる。」
午後9時。
ソファに凭れ掛かって俺に同意を求める父さん。
「その上司がさ、同年なのにかなり見下ろしてくんの。本当、入社する時期が違っただけでねー」
「はいはい」
机の上には、ビールの空き缶やワインの空き瓶が多数個。
の、半分は父さんが飲んだもので、残りは強制的に飲まされた俺のもの。
「父さん、そろそろ寝たら?」
「まだ9時過ぎじゃないか。夜が明けるまで語り合おう、須王」
「・・・・・・いやだ」
父さんは、酒が入ると愚痴るタイプの人だった。
結局、酔っ払いの愚痴を聞いているはめに。
「でさ、ね?あれ、須王聞いてる?」
「あぁ、聞いてるよ」
机の上に広がっているゴミの山を片付ける。
一体俺はどんだけ飲まされたんだろう・・・。