カラス君と黒猫さん
「音楽室!懐かしいなぁ」
まず、3階にある無人の第二音楽室で父さんがはしゃぐ。
「何も変わってない?」
「いいや。ピアノが何かカッコ良くなってる」
「そうなんだ」
嬉々とした表情のまま、今度は廊下を歩いている事にテンションが上がっている父さん。
「廊下も変わってないなー。あぁ、ここの落書きオレ。」
「何やってるの?!」
そこで、廊下の壁に油性ペンで描かれた落書きを見る。
あぁ、これ父さんなのか・・・・・。
子供・・・。
「本当懐かしいなー。年はとりたくないよ」
「何年前?卒業したのって」
「今俺が45だろ?卒業するのが18だから・・・」
「27年前ー・・・・。」
「うっわ俺年取ったなぁ・・・・」
それから理科室、家庭科室、調理室を回った。
どうやら初めて聞くけど父さんは意外に元気な人だったらしく、いたるところに色々な思い出があるそうだ。
その全てを聞いていると何だか面白い。