カラス君と黒猫さん
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(寒っ・・・・・・・・・・)
下駄箱から出た途端、襲い掛かる極寒に身を竦める。
空は灰色で、なんだか雪が降りそうな天気だ。
俺はいつも通り、イヤホンを耳に付け、大股で校門を出る。
(・・・・・早く帰りたい)
今日は今までの中でも一番寒い日だ、って天気予報が言ってた。
耳につけたイヤホンが周りの音を遮る。
後ろで話している女子高生の話し声も、道路で走っている車の音も、賑やかな雰囲気になってきた街の音も聞こえない。
ひとりの、空間。
ついこの間までは、この空間が居心地良い空間だった。
「・・・・カラス君」
肩に感じた感触に視線を落とす。
寒そうに身を縮めている黒猫さんの姿。