カラス君と黒猫さん
「・・・・・・いやー、黒猫ったらカラスにいつもあんな感じなのか?もっとこう・・・女らしくなってるかと思ってたのに」
「あんな感じだよ。皆平等的に。」
「つっまんねー!!」
「何を期待してるの・・・・・」
「ラブ」
いかつそうな金髪坊主が大きい手でハートを作る。
・・・・不似合いだ。
「・・・・・ま、ちったぁ変わったよ、黒猫も」
「そう言えば、雅と黒猫さんってどう知り合ったの?」
「・・・・・・・普通に、バイトとオーナー的な。」
雅がパイプ椅子に凭れ、俺を眺める。
「黒猫14歳の時にここ来た。」
「14?!中2?!」
「あー・・・・・・大人びてたっつーか、子供らしさが欠片も無かった奴だったから。違和感は無かったぜ。」
「・・・・・・・・納得できるけど、」
雅は小さく溜め息をついてから、座り直す。
「アイツ、ガキの頃に父親亡くしてるだろ?駄目な親父だったとか何とか呆れてた風にしてたけど、子供らしさが無くなったのはそれからだと思う」
「・・・・・・確か、アルコール中毒で。」
「ちゃらんぽらんな父親だったらしい。まぁ黒猫を見てれば大体どんな性格かは分かるが」
ふと引っ掛かった。
「母親の話は・・・・・聞いた事無いな、黒猫さんから。」
「・・・・・・・・・」
雅がもう一度溜め息をつく。