カラス君と黒猫さん
「その内分かるよ、ぜってー」
「意味分からない」
「あぁあぁ。そのうち分かるって。」
「いや分かんないって!」
「いやいいから早く着替えろって!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
上手い様に、雅に手篭めにされた感がある。
「着替えたら、外で待ってるから呼べ。じゃあな」
「・・・・・・・分かった」
胡散臭い笑みと気持ちの悪い投げキスを残し、雅は部屋を出た。
開いたドアの隙間から、店の騒がしい音と酒の匂いが入ってくる。
(黒猫さん、は)
よく分からない。