カラス君と黒猫さん





「その内分かるよ、ぜってー」

「意味分からない」

「あぁあぁ。そのうち分かるって。」

「いや分かんないって!」

「いやいいから早く着替えろって!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」



上手い様に、雅に手篭めにされた感がある。




「着替えたら、外で待ってるから呼べ。じゃあな」

「・・・・・・・分かった」



胡散臭い笑みと気持ちの悪い投げキスを残し、雅は部屋を出た。



開いたドアの隙間から、店の騒がしい音と酒の匂いが入ってくる。







(黒猫さん、は)




よく分からない。








< 139 / 223 >

この作品をシェア

pagetop