カラス君と黒猫さん
□恋心
「っわ・・・・・・」
俺は、思わず息を呑んだ。
「凄いだろ?」
さっき捕まえた雅が偉そうに胸を張る。
俺の目の前には、カジノ。
正確に言えば、表向きはキャバクラ〝LAURA〟の地下、カジノ〝LAURA〟。
広い敷地に、様々な机や機械やらが置いてある。
一番驚いたのは、その人の数。
ゲームをしている客の周りに集まる、見物客も一杯居るし、カウンターで酒を飲んでいる客も勿論一杯居た。
地上のLAURAと雰囲気が全く違う。
「ここ全部、雅の店の土地?」
「あぁ。親方が遺した土地を継いだんだ」
「・・・・・そう言えば、元ヤクザだったね」
「聞こえが悪ぃなぁ。金融関係と言ってくれ」
よく見ると、客でごった返している中に、俺と同じ様な格好をしている男も居る。
「ボーイ的な?まぁ、カラスはカウンターで客に頼まれた酒持ってくだけでいいから」
「結構大変だよね、それ・・・・・・」
ちらりと視線を微かに感じる。