カラス君と黒猫さん
俺の目の前に居る女性の視線だけは例外。
「・・・・・・あ」
一言、不味そうな声を出した。
「やっぱり居た!カラス君に何もしてないよね?」
注目を浴びながら、人混みを掻き分け登場した人。
女性と同じ黒色のミニドレスを着こなした、黒猫耳装着の。
「・・・・・・・・・黒猫さん」
「何もしてないわよ。ってかその頭。プッ」
(猫耳したんだ・・・・これはこれで可愛い)
吹き出した女性を思い切り睨む黒猫さん。
「あれぇ?マユさん。はい、これシャンパン」
「あぁ高見。どうも」
話を聞いていたのか、奥から出てきた高見さんが、シャンパンを片手に女性へ手渡した。
「なんですかぁ、親子お揃い、お綺麗で」
・・・・・・俺に衝撃が走った。