カラス君と黒猫さん
「何言ってんの高見。こんなちっこいの“綺麗”の範囲じゃないわ」
「うるさい」
「今何歳でしたっけ?17?もう立派なお嬢さんじゃあないですか」
「まだ17よ。このガキ顔が老けてるから」
「あんたから生まれたからだよ」
黒猫さんより少し背が高いくらいの女性と、黒猫さんを見比べた。
(おやこ・・・・・・・・親子?母親?)
目の前でその二人が睨み合う。
けど、そんな事に着いていけない。
「この子こんな色男なんか作っちゃってさぁ。あーあぁ、私も再婚しようかしら」
「カラス君はそんなんじゃ、」
「カラス!お前そうだったのか・・・・・・」
高見さんに声を掛けられた所で、俺の意識は戻った。
「え?いや、黒猫さんとは別に、・・・・・」
「じれったいなぁ!コレだから最近の若者は・・・」
「高見さん!」
「オイ黒猫とマユ!何サボってんだ、戻れ!」
3人で口争っていると、俺の背後から雅の低い声が。
「何だ、雅か。今休憩とってんの!良いじゃない、娘の彼氏くらい見たって」
「彼氏じゃない」
「二人がトリだっつーのに一片に居なくなられても困るんだよ。どっちか戻れよ」
「あぁ、マユさんが戻りたいって」
「おい小娘!お前が戻れ!」
「大人でしょ。こっちは働いちゃ駄目な年代なんです」
「雅ーこいつ辞めさせてー!!」
「それは無理ー。」