カラス君と黒猫さん
言うとしたら、それは、衝撃。
俺は、何も知らない無知のまま生きてきたんだ、と思うくらいに。
君は突然、現れた。
俺の秩序を全部かっさらって、代わりにきみの残像を残して。
「っい、」
「あ、ごめん」
本当、そんな出会い。
「・・・・・・・ごめん、大丈夫?」
帰ろうと下駄箱に向かう途中、女の子と肩がぶつかった。
肩と言っても、その子の背と俺の背が違いすぎて、彼女の頭が俺にぶつかったようなものだけど。
「・・・・・・・・大丈夫」
高い声だった。
耳に直接通るような、響く声。