カラス君と黒猫さん
今だ、自分の状況に着いていけない。
雅の言ってた“あとで分かる”の意味がようやく理解できた。
黒猫さんのお母さんはキャバクラで働いていたのか・・・・・・。
少し口論をした後、マユさんが戻る事になったようで、睨み合いながら騒ぎは収まった。
「琴羽をよろしくね」
そう呟かれたのには返事できずに苦笑いしかできなかった。
そんな俺を見て、くすくすと秀麗に笑ったマユさんは少し、黒猫さんに似てると思う。
出口へと去って行くマユさんを見送りながら、黒猫さんが俺に話し掛けた。
「カラス君、ごめんね?何もしなかった?あの人。何にでも興味持つから・・・。」
「ううん。全く。と言うか、黒猫さんはマユさん似なんだね」
「あぁ、多分。よく言われるよ」
そして、カウンターに凭れ掛かっていた雅が妖しく笑う。
「・・・・・なぁ?分かったろ?」
「・・・・・・・あぁ、今分かった。」
「何のはなし?」
「何でもねーよ。猫耳似合ってる」
「しね」
「えっ?何で」
黒猫さんに、猫耳。
ばっちり似合いすぎてて違和感が無い事に驚いている。
・・・・・・・・写真、撮りたい。