カラス君と黒猫さん



今だ、自分の状況に着いていけない。


雅の言ってた“あとで分かる”の意味がようやく理解できた。





黒猫さんのお母さんはキャバクラで働いていたのか・・・・・・。




少し口論をした後、マユさんが戻る事になったようで、睨み合いながら騒ぎは収まった。



「琴羽をよろしくね」


そう呟かれたのには返事できずに苦笑いしかできなかった。

そんな俺を見て、くすくすと秀麗に笑ったマユさんは少し、黒猫さんに似てると思う。




出口へと去って行くマユさんを見送りながら、黒猫さんが俺に話し掛けた。




「カラス君、ごめんね?何もしなかった?あの人。何にでも興味持つから・・・。」

「ううん。全く。と言うか、黒猫さんはマユさん似なんだね」

「あぁ、多分。よく言われるよ」


そして、カウンターに凭れ掛かっていた雅が妖しく笑う。



「・・・・・なぁ?分かったろ?」

「・・・・・・・あぁ、今分かった。」

「何のはなし?」

「何でもねーよ。猫耳似合ってる」

「しね」

「えっ?何で」



黒猫さんに、猫耳。


ばっちり似合いすぎてて違和感が無い事に驚いている。




・・・・・・・・写真、撮りたい。



< 150 / 223 >

この作品をシェア

pagetop