カラス君と黒猫さん



カジノの騒がしさが残る控え室で、俺の葛藤は続く。



(写真に収めたい。雅に言ったらのってくれそう)



そして、雅を引っ張りその事を耳打ちすると、予想通り話にのってくれた。



そのまま作戦の流れを教えられる。

雅が考えた作戦は、「振り向きパシャッ!黒猫ちゃん大作戦~」と言うネーミング。


「ネーミング気持ち悪過ぎない」

「いやいや良いだろコレくらいが。萌える」

「ねぇ、二人共何話してるの」

「LAURAの名前について語ってるんだよ」

「萌えるの?」


雅が顎で合図すると、俺は先程言われた指示通り、出口の方へ歩いた。


「あれ、カラス君どこ行くの?」

「ちょっと忘れ物取って来る。すぐ戻ってくるよ」

「あぁ、行ってらー!」


雅の陽気な声に押され、出口に出た。



(携帯・・・・・・物置部屋の中にあるよね)



カジノから出て地上に上がり、最初居たあの物置部屋へ足早に向かった。




俺に背中を向けて雅と黒猫さんが喋っていてくれれば、後ろから呼びかけて振り向いた所でシャッターが押せる。そう言う作戦だ。





(あった)



机に置きっ放しだった携帯を拾い上げて、また地下に向かう。





< 151 / 223 >

この作品をシェア

pagetop