カラス君と黒猫さん
「・・・・・・ひどい、カラス君」
黒猫さんが手を伸ばしながらそう言う。
背伸びしながら携帯を取ろうとしてるけど、手を伸ばした俺の二の腕辺りしか届いていない。
「・・・・・いつもの黒猫さんの顔が撮れた」
「不っ細工じゃん」
「大丈夫、可愛いよ」
「消す!!」
「だめ」
雅がにやつきながらこっちを見ている。
「カラス、見せて」
雅に携帯を投げる。
それを見事キャッチして、雅は画面をまじまじと見た。
「黒猫、大丈夫可愛いって。プッ・・・」
「雅!?今笑ったよね!!」
「猫耳・・・・・・・プックック・・・」
「カラス君!消して!」
「カラスー、後でこれ俺にも頂戴」
「やだ」
「何でだよー」
カウンターに凭れて、雅から携帯を取る。
黒猫さんがそれを奪おうとするから、ポケットに突っ込んで。
「うあー・・・・・・・・・・めっちゃ間抜けな顔撮られた・・・。言ってくれれば良かったのに・・・」
「間抜けじゃないって」
「うそだ。カラス君が寝返った・・・・・」
黒猫さんは机に突っ伏して脱力。
・・・・そんなに酷い事したかな。