カラス君と黒猫さん
「うああああ寒い!寒い・・・・・」
外に出て、冷たい風が体に当たると黒猫さんはさらに縮こまる。
「寒いね・・・・」
「死んじゃう、寒すぎる・・・・」
上着の首もとに顔を埋めて、ふらふら歩く黒猫さん。
LAURAに来る時は、いつも複雑な道を通ってから駅前に行く。
今日も薄暗い裏路地を通りながら、明るい駅に着いた。
「カラス君」
「ん?」
「寒い」
「あぁ、そうだね」
ギリギリ電車残ってた。
切符を買って、改札口を通る。
「カラス君」
「何」
夜風が体に凍みる、二人だけのホーム。
流石に他の人はもう居ないや。
「あたしが居なくなったら、どうする?」
唐突、だった。