カラス君と黒猫さん
「え?」
「もしも、の話。私が、カラス君の前から居なくなったどうする?って話。」
黒猫さんを凝視してしまった。
いつもの冗談を言ってる顔じゃない。
「・・・・・・・うーん・・・・・。残念、かな。」
「残念?何だそりゃ」
「だってお昼一人じゃん。あ、冬休みか。」
「何それ、私は昼ご飯一緒に食べる係?」
「うわ、微妙だねそれ」
心臓が何故か、ドクドク走ってる。
嫌な、予感。
「・・・・・カラス君は私の前から居なくなってくれるなよ」
男前な言葉。
黒猫さんらしい。
(・・・・・じゃなくて)
「・・・・・・黒猫さん・・・・・?」
光栄だよ、そんな風に思ってくれてて。
右から現れた電車の音で、その声は掻き消された。
心臓がうるさい。