カラス君と黒猫さん
気が付くと俺は、服に着替えて家を飛び出していた。
何処に行くかも分からないのに。
(黒猫さん、昨日言ってた事が嘘に思えないよ)
黒猫さんを、今、見ないと気が済まない。
動悸で死んでしまいそうだ。
何も考えず走って行ったのは黒猫さんの家。
多分、居ないと言う事は知っていた。
知っていたけど、何かしないと気が気じゃなかったんだ。
走って、走って、交差点を通り超え、人が少ない路地に入って、大通りに出る。
その裏道を走り、右に曲がった薄暗い道。
雰囲気が薄暗い、黒猫さんのマンションに着いた。
「っ・・・・・・・はあ・・・・・・・・」
そのマンションのポストに書いてある名前を見て、黒猫さんの部屋を調べる。
(・・・・・・・・・・・・2、0、1号室)
階段を駆け上がった。
どうしよう、黒猫さんただの寝坊だったら。
俺馬鹿みたいじゃん、って自嘲してるけど、反面そうであって欲しいと願ってる。