カラス君と黒猫さん
“201号室”と書いてある扉の前に立つ。
チャイムは鳴らしてもやっぱり返事は無かった。
ドアノブを回して見たら、意外にも不気味な音を出して回った。
(鍵・・・・・・・・・、開いてる・・・・・?)
もしかしたら、居るかもしれない。
本当にただの寝坊だったかもしれない。
「・・・・・・・・・・・・・・っ・・・・・・」
(ごめん、黒猫さん)
俺は、一気にその扉を押し開けた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・、え・・・・」
一見何処もおかしな所は無い部屋。
玄関に下駄箱があって、廊下があって、奥に広いリビングのような部屋がある。
だけど、そのリビングは普通じゃなかった。
明らかに荒らされたような、衣類や布団とかが散乱している感じだった。
コップが落ちて、割れている。
(もしかして、空き巣・・・・・・・?)
いや、違う。
空き巣だったら玄関とかも荒れてていい筈。
ぞくり、寒気がした。