カラス君と黒猫さん










□ □ □



「っはあ・・・・・・・・・・」



汗が、背中を伝ったのが分かる。



埃臭い部屋の匂いが、鼻をついた。
微弱な日光が俺を照らす。




真っ黒な瞳は大きく開かれていて、俺を驚愕したように見上げていた。

取り合えず俺は、扉を閉める。






あぁ、やっぱり。

黒猫さんは音楽倉庫に居た。



膝を抱えるようにして蹲って、まだ俺を見上げてる。




(良かった、見つかって・・・・・)


良かった、はずなんだ。






良かった筈なのに、何でこんなに喪失感があるんだろう。


俺は息を整えながら、黒猫さんの顔をしっかり見た。






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