カラス君と黒猫さん
□告白
静かな、静かな、誰も居ない冬休み中の学校。
その中でも一際静かな音楽室倉庫。
日光に照らされて、黒猫さんが綺麗に映りながら、口を開いた。
「兄さんが、居るの」
掠れて重い、喋り方だった。
「父さんの連れ子だったんだ。父さんの前の奥さんが病死で死んで・・・・・。
それからすぐ再婚して生まれたのが私」
その時は、母親が違うだけの兄の存在を当たり前だと思ってて、気にもしなかった。
黒猫さんは俺に半分凭れ掛かるようにして呟く。
「中学からだった。兄さんに抱かれたの」
・・・・・・・・・・・あぁ。
顔に出さないけど、内心何かが圧し掛かるような感じがした。