カラス君と黒猫さん
「私が望んだんじゃない・・犯されたんだ、」
声が、震える。
黒猫さんの必死さが背中を通して伝わってきた。
「・・・・・・・妊娠させるぞ、とかずっと脅されてて、大人しくするしかなかった・・・・。
高校になってやっと母さんが気付いてくれて、私を兄さんから離したけど、」
黒猫さんの冷たい手が俺の指に絡んだ。
・・・・・・・体温を奪われる位冷たかった。
「最近、兄さんが今住んでいる所に感ずいたんだ」
「まさか・・・・・・・・・・・」
荒らされていた部屋は、もしかして。
「昨日兄さんが部屋に居て・・・・・・・・・・」
「・・・・・もう、 いい」
その次を続けようとする黒猫さんの口を手で覆った。
・・・そんな暗い話は聞きたくない。
俺はどうしてもその“先”を言いたいんだ。
「・・・・・・・黒猫さんは俺に“告白”してくれた。だから俺も、黒猫さんに告白するよ。」
「え、は・・・・・・・・・・・・?」
ぽかんと俺を見上げている黒猫さんの頬を挟んで、向き合った。