カラス君と黒猫さん
ガタガタ、冬風で立て付けの悪い窓が鳴る。
静寂の中、些細な事が気になって仕方が無い。
「っ、」
真っ赤になった黒猫さんが頷くのを見て、顔が緩まずには居られなかった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・本当?」
「本当だよ」
真っ赤になったまま縮こまってきた黒猫さんの顎を掴んだ。
「本当は、もっと早く言いたかったけどね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
黒猫さんの“本当”が見られた。
黒猫さんの“仮面”が外れた、“本当の顔”が知れた。
黒猫さんに俺の気持ちが伝わった。
「っ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
黒猫さんの唇はやっぱり冷たかった。