カラス君と黒猫さん










□ □ □



「よっ、と」


黒猫さんは豪快に校門を跨いだ。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

「なに、カラス君」

「パンツ見えた」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」



冬休み中、年末の為閉まっていた校門。
裏口から行くと言う考えは無かったようで、黒猫さんはスカートのまま校門に攀じ登ったのだ。


「男勝りだよね、黒猫さんって」

「悪かったね。性分な物で」


俺も柵に足を掛け、そのまま向こう側に下りた。



「あー、どうしようかな」

「何が?」

「家に帰りたくない。」



平然と道路を渡っていく黒猫さんは少し低い声で呟いた。



「・・・・・・・・・・・そっか。」


(もしかしたら、お兄さんが居るかもしれないからね)



「部屋片付けないといけないし」

「あれ、そこ?」

「?うん。」


けろりとした顔で言う。



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