カラス君と黒猫さん
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「よっ、と」
黒猫さんは豪快に校門を跨いだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「なに、カラス君」
「パンツ見えた」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
冬休み中、年末の為閉まっていた校門。
裏口から行くと言う考えは無かったようで、黒猫さんはスカートのまま校門に攀じ登ったのだ。
「男勝りだよね、黒猫さんって」
「悪かったね。性分な物で」
俺も柵に足を掛け、そのまま向こう側に下りた。
「あー、どうしようかな」
「何が?」
「家に帰りたくない。」
平然と道路を渡っていく黒猫さんは少し低い声で呟いた。
「・・・・・・・・・・・そっか。」
(もしかしたら、お兄さんが居るかもしれないからね)
「部屋片付けないといけないし」
「あれ、そこ?」
「?うん。」
けろりとした顔で言う。