カラス君と黒猫さん
はぁと溜め息をついて、俺はさっきの出来事を忘れないまま、靴を取り出した。
いつも聞いていた音楽を聴かないで。
いつもゆっくり歩いていたのを大股にして。
いつも景色ばかり見ていた視線を真っ直ぐ前にして。
普段見もしない秋晴れ、の空を見上げて。
何故か、自然と口角が上がっていくのが分かった。
あぁこれ、“にやり”顔だ。
人から見れば妖しく笑ってると思う。
おもしろいものみつけちゃった。