カラス君と黒猫さん
「・・・・・・ん」
ひやり、と頬に冷たい感触を感じる。
目を開けると、黒猫さんの顔。
「・・・・・・・・起きた。おはよう。もう11時になっちゃった」
体を起こそうとしている黒猫さん。
あ、そうだ。抱き抱えたままだ。
腕から出ようとしている黒猫さんは、布団から出る猫みたいで面白い。
「うわっ」
「あったかい・・・・・・・・」
出ようとする黒猫さんをもう一度強く抱き締めて、暖を取る。
当然、黒猫さんはバランスを失うわけで。
「・・・・・・・痛い、肘打った」
「肘なら大丈夫だよ」
「寝起きが悪いんだね、カラス君」
「熱出した時の黒猫さんには勝てないよ」
「えっ?!私何かした?!」
「んー言わない」
黒猫さんを離し、自分も体を起こす。