カラス君と黒猫さん
□塩梅
□ □ □
「カーッラス!!」
俺は、肩に手を置き、デカイ声でそう呼んでくる友人を笑顔で見下ろした。
「うるさいよ・・・・」
「相変わらずクールだねぇ!んで、今日のカラオケはどうするよ?」
「パス」
手を下ろす。
すると友人は驚いた顔で俺を見上げてきた。
「ええええ!お前が来るってっから合コン的なノリで女子が集まったのに!そんな!酷いわカラス君!お願い来て!」
「誰だよ。ってか、お前らが強引に誘ったんでしょ?知らない。」
「いやあああカラスぅうう!」
笑顔を浮かべたまま、友人を後にして歩を進める。
そう言えば何でここ、廊下に来たんだっけか。
(・・・・あぁそうだ)
昼飯で、購買に来たんだっけ。
なのに、俺の足には友人がへばり付いている。
「離して。お前ならいける!女子もお前の良いとこ見つけてくれるって!自分を信じろ!」
「うるせぇえええ!とにかくお前を連れて行くのが俺の役目だ!」
「購買が売り切れる!」
まだ強情に引っ付いている友人を引っぺがして、パンが売られている購買へと歩いた。