カラス君と黒猫さん
「う・・・・・・・・、え、あ・・・・・はい。」
階段の真ん中で立ち往生する。
一段空けて後ろに、男の人が居た。
一段下だと言うのに、その人の方が背が高い。
「琴羽の、彼氏?」
心臓を鷲掴みされたような気分だった。
(この人が、お兄さん・・・・・・・・・・、だ)
「・・・・・・・はい」
お兄さん。
そう思ったら、似てない事は無い。
顔立ちが黒猫さんに似てる。
「・・・・・・・・黒猫さんは?」
「黒猫?あぁ、琴羽のこと?部屋で寝てると思うよ」
優しい笑い方だった。
口端を少し浮かべて、うっすらと笑みを浮かべる仕草が黒猫さんに似てる。
「そんな怖い顔しないでよ。取って食いやしないよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
自然と表情が強張る。
自分でも笑えるくらいに緊張してるんだ。
お兄さんの雰囲気は、怖いと思う。
何処と無く威圧感があって、近寄り難い雰囲気。