カラス君と黒猫さん
「カラス君カラス君」
「ん」
「だいすきだよ」
顔が熱くなった。
さらりと当たり前の事を言う様に、黒猫さんは言うんだ。
「照れてるー」
「当たり前でしょ」
冷たい手に挟まれて、唇が少し触れる。
至近距離のまま、黒猫さんは続けた。
「私ね、カラス君って少し見下ろしてる人だなって思ってた」
「・・・・・・・・うん」
「客観的で、今を上手に生きてればあとはどうでもいい、みたいな」
「うん、」
「ちょっと変わったよ、印象」
「どんな風に?」
喋りかけてた唇を塞ぐ。
黒猫さんは一瞬不機嫌そうな顔をして、また言葉を続けた。
「平等に、見てる人だなぁ、って。」
「・・・それは何でか知ってる?」
「・・・・・え、何で」
“黒猫”さん。
よくできたあだ名だと思う。