カラス君と黒猫さん





「ま、いっか。ねぇ、ちょっと来てよ」




彼女は笑った。



ただの、笑い方じゃない。






とんでもなく妖しい笑いで。


けど、はじめて見た笑顔に釘付けになって、引かれた手に従った。





(相変わらず冷たい手)








「ねっ?良いでしょう?コイツなら行けるって!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「でもなぁ~・・・・・・男だろ?」

「この人華奢だしちょっと大きいけど服何とかすれば女に見えるよ」

「まぁ、そうかも。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



俺は現在、二人の人間の間に居る。

右側黒猫さん、左側なんかごつい男。



しかも、この会話の内容と言ったら。





< 24 / 223 >

この作品をシェア

pagetop