カラス君と黒猫さん
「何と言うか。この店はちょっと手伝ってるくらい。それにバイト他にもすごいしてるし」
「んっと。コンビニだろー、CD屋だろー、ガソリンスタンドでもバイトしてたな」
「薬局、ラーメン屋のバイトもしてた」
指折りをしながら黒猫さんがバイトをしていた店の名前を挙げていく二人。
「まぁ、高校生活は部活ー恋愛ー友情ー・・・だけじゃ無いし、いいんじゃない?こう言うの、私の生き甲斐だし」
「働くのが?」
「そう言う事にしといて」
頭からずり落ちた派手な髪飾りを直してくれている黒猫さん。
「そんな綺麗事言ってっけどお前、ただ暇なだけじゃん。悪賢いだけじゃん」
からりと笑う雅を睨んで、黒猫さんは座ってる俺を見下ろした。
「違う。面白いことがすきなだけ」
そして、ニヒルに笑みを浮かべるその姿は、成る程、悪戯好きな“黒猫”そのものだ。
「・・・それって俺で楽しんでるんでしょう」
「だってこんなにドレスが似合う男なんて居ないよ?最高」
『あんた、わざとらしい笑い方するんだね』
無頓着に、無表情に、そう言い放った彼女は今俺の目の前に居て。
俺は何故かそのひとに遊ばれていて。