カラス君と黒猫さん
「基本は、笑顔。それだけあれば十分だって雅に教えてもらったよ。だから笑いなよ」
そして腕を伸ばし、俺の両頬をぐい、と引っ張った。
「らんれこんらことに・・・・・」
「何ていってるの?」
されるがままな状態で、黒猫さんを見上げる。
俺の顔を見ている黒猫さんは破顔だ。
「いい顔してる、カラス君・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
現在、男な俺は黒いドレスを着ていて。
しかも女用ので。
かつらも被されて、好きなように化粧されて、初対面の人は誰が見ても「女」って言う位、到底いつもの自分から離れて。
昨日初めて会ったばかり、それも一瞬、の人にされるがままにされて。
なのに笑って、
面白くて、たのしくてわらった。