カラス君と黒猫さん
「あー!!カラス!!」
机の横に掛けておいたコンビニのレジ袋を掴んで、友人から逃れるように全速力で教室を出る。
「お前なら行ける!じゃあな!」
「待ってえええ俺のカラスー!!」
「誰がお前のカラスだ!」
廊下で友人が追いかけてくるけど、諦めたみたいだ。
少しして、着いて来なくなった。
「・・・・・・・・・・・はぁ、」
走ってきた先は、人が少ない新館。
薄暗くて、物音がしない。
今日も、4階に上って音楽室倉庫に行こうとした。
がらっ。
「おう、カラス君。びっくりした、急に開けないでよ」
俺は思考が停止した。