カラス君と黒猫さん





「ってか、本当にカラス君って高校生だったんだね」

「どういう意味?」

「や、一回ぶつかってカラス君は見たんだけど、こないだのキャバ嬢姿を見たら何か・・・・・・・。何歳だっけ?みたいな。」

「まだ17歳」

「お、同い年ー」

「当たり前だから」



俺もパンに噛り付いた。
甘ったるい砂糖が口の中で溶ける。


やっぱ甘党だな、なんて思いながら。




「今日黒猫さん廊下でなにしてたの?」

「あ、そう言えばカラス君の教室の前だったね」

「うん。眠たそうだった」


口の中におにぎりを放り込んで、黒猫さんは続けた。




「昨日夜遅くまでガソリンスタンドのバイトしてて。何とか遅刻せずに学校行ったんだけど、睡魔が襲ってきた。4時間目まで寝てた」

「やっぱりそうだったんだ」

「何それ」


少し眉を寄せ、おかしなものを見るような目で黒猫さんが見上げてくる。



「そん時、この場所見つけたんだよ。ここ最高。温かいし」


「へえ」







< 48 / 223 >

この作品をシェア

pagetop