カラス君と黒猫さん
「ってか、本当にカラス君って高校生だったんだね」
「どういう意味?」
「や、一回ぶつかってカラス君は見たんだけど、こないだのキャバ嬢姿を見たら何か・・・・・・・。何歳だっけ?みたいな。」
「まだ17歳」
「お、同い年ー」
「当たり前だから」
俺もパンに噛り付いた。
甘ったるい砂糖が口の中で溶ける。
やっぱ甘党だな、なんて思いながら。
「今日黒猫さん廊下でなにしてたの?」
「あ、そう言えばカラス君の教室の前だったね」
「うん。眠たそうだった」
口の中におにぎりを放り込んで、黒猫さんは続けた。
「昨日夜遅くまでガソリンスタンドのバイトしてて。何とか遅刻せずに学校行ったんだけど、睡魔が襲ってきた。4時間目まで寝てた」
「やっぱりそうだったんだ」
「何それ」
少し眉を寄せ、おかしなものを見るような目で黒猫さんが見上げてくる。
「そん時、この場所見つけたんだよ。ここ最高。温かいし」
「へえ」